ウェルカム・パーティ 2 大輝は引きずられるようにして駐車場まで歩いた。 「酒井さん!」 大輝の車の前まで来ると、掴まれていた酒井の手が緩む。 「酒井さん!やめろよ、こんなの」 その呼びかけには応えずに、大輝のズボンのポケットから車のキーを取り出した。 EK9の運転席のドアを開けると、押し込むように大輝をシートに座らせた。 ふいに、酒井の手が大輝の頬に触れた。さっきその酒井に殴られた痛みがまだ残っている。 酒井は血が滲む大輝の唇を親指で拭って、車のドアを勢いよく閉めた。 大輝は思い切り酒井を睨んだが、酒井は一言、「言うなよ」とだけ告げて店の中に戻って行ってしまった。 「畜生!!」 大輝は自分の無力を実感した。トモが、憧れの人が汚される。でも自分一人の力では止められない。 (あの人は俺たちを守ってくれたのに。俺は何も出来ないのか…) 佐伯たちにもの言えるのは社長だけだ。 そういえば、今日はいつも店にあるべき社長の姿が見えない。 (…そういうことか。社長の居ないときを狙って…) 大輝は携帯を取り出すと、アドレス帳を表示させた。 「やべ」 いくら探しても、その中に大輝が探している名前は出てこなかった。 「社長の番号知らねーじゃん、俺」 用があれば店に来れば会える人だったので、特に連絡先を聞いていなかったのが仇になった。 大輝はひとつ舌打ちをして、チームでよくつるんでる男の番号探した。 発信音がやけに長く感じる。 (早く、早く出てくれ) 発信音が途切れた。 「あのさ、社長と連絡取りたいんだけど」 智幸は押さえつけられている四肢に力を入れて、振り切ろうともがいた。 すると頬に熱い衝撃が走った。 「おい、あんま暴れるんじゃねぇ。顔ボコボコにされてーのか」 ゴツい手が腹の上を這い出す。その手はあたりまえのように智幸のズボンのボタンを外し、剥き取った。 ボクサーパンツを膝の位置まで降ろすと、佐伯は目配せをして男達に智幸をうつ伏せにさせ、膝を立たせた。 ジッパーを降ろす音が聞こえる。 「やめろっ」 ヤバイ、と思っても何も出来ず、熱くて硬いモノが智幸の秘部に押し当てられた。男は相当興奮していたのか、すでに膨張していた。 一呼吸おいて一気に貫かれる。 「ッ!」 何も用意されていない智幸の秘部は突然の異物に悲鳴をあげた。 「痛いか?もっと優しくしてやってもいいんだけどな。プロの厳しい世界で生き抜くために指導してやってんだぜ?」 男はニヤニヤと笑いながら、さらに奥へと腰を深く挿れる。 「ウ……あ…」 下半身で感じる、リアルな痛みと男の脈。 「オマエ…結構使ってんじゃねぇの?ココ」 鎌田がそれに反応して笑う。 「おい、なんだよそれ」 「いや、マジにさ、こいつ、かなり仕込まれてるって」 智幸の秘部は、男の決して小さいとは言えないモノをしっかりと咥え込んでいた。そして無意識に男のモノを中へと引きずり込むように動いていた。 「社長にじゃねぇの?」 「…どうかな。久しぶりって感じじゃねぇな。ここでクセになったんじゃねぇ?男が」 痛みと声を必死で堪える智幸を余所に、佐伯達は楽しそうに勝手な会話をしている。 「トモさん、そそる格好してますね」 声をかけたのは酒井だった。 「大輝は?」 林田が聞く。 「帰らせましたよ」 聞いた鎌田は舌打ちをした。 「大丈夫かよ、危ねぇな」 「大輝もやっちまえば良かったんだよ」 「そっちの方も楽しみにしてたんだけどなぁ、俺は」 「なぁ、まだ手ェ出してないんだろ?酒井」 「そんなことより、早くトモさんをイカせてあげませんか?」 酒井は上着を脱いで、智幸に近づいた。 「俺も混ぜてくださいよ、ね?」 智幸の耳元で呟く。 「おい、邪魔するんじゃねぇぞ」 「わかってますって」 「トモ、イイ声聞かせてくれよ」 そう言うと男は腰を動かし始めた。 「ンン…!!っ」 「声、我慢するんじゃねェ…!おい、」 男が声をかけると、酒井は智幸の口を閉じられないように指でこじ開けた。 「ほら…っ!」 また、一突き。 「あっぁはぁ…っ!!」 堪えきれない声が漏れる。 「なんて声出してんだよ、トモ」 「やべぇ、勃ってきた」 鎌田が笑いながら言ってるのが耳に入った。 「もっと聞かせてくださいよ、トモさん」 現役生の田原までもが、この状況を楽しんでいるようだった。 酒井の指には智幸の唾液が伝う。無意識に指に自ずから舌を絡めてくる智幸の様子を見て、酒井は口の端で笑っていた。 「うン、あっ…くっ」 OBの男が腰を激しく動かすと、それに応えるように智幸は喘いだ。 「これだ…はは、あの時と変わらねぇ!」 智幸を犯したあの日。塾生達に何度となく繰り返したもう珍しく無かったその行為だが、智幸の顔と声を忘れられずに居た。 気の強そうな男が快感を感じまいと耐える姿はいじらしいと思ってしまうほどだった。 あの場にいたものは皆、智幸から視線をそらすことができなかった。 智幸は最中に意識を失うことが出来たらどんなにいいか、と考えていた。痛みで意識が遠退きそうになっても無理やり覚醒させられて、沢山の男達が智幸の身体を汚し続けた。 「あんまり締めるなよ、ククッ」 智幸はそれ以降、塾内の男と関係を持つことは無かった。それは、智幸には守ってくれる存在が出来たからだった。 東堂塾の塾長、その人だ。智幸は『愛人』という立場だった。気まぐれな東堂は、智幸を数週間放って置くこともあれば、突然激しく求めてきたりした。東堂が自分を抱く腕は何故かいつも優しかった。その腕は見えないところでも変な輩から智幸を守ってくれていたのだ。 その頃に東堂に教え込まれた智幸の身体が、今、智幸を味わっている男に快感をもたらしていた。 「はぁっ、あ、あぁ、ふ…ッ」 溢れ出てくる声を聞かれたくない、と智幸は口を閉じようとして酒井の指を噛んだ。 「…ッ!」 酒井の指から鮮血が流れて智幸の口のなかに流れ込み、鉄の味が広がっていく。 「…トモさん」 酒井は自分の血を見て瞳の色が変わった。 「自分の立場がわかってないみたいですね」 「っ!」 「もう…!イク…っ、」 佐伯はさらに激しく智幸の内部を擦った。 それに反応して、キュゥッ と締め付けた。 「ぁ!」 「う…ッ!」 男は智幸の中に精液をぶちまけた。 「…は、」 「やっべー…クセになりそうだぜ、コレ」 佐伯が智幸の内部から引き抜くと、精液と智幸の体液に混じって赤い液体が絡んでいた。 「次、俺にやらせてくださいよ」 酒井が言った。 「お前、先輩に先譲れよ」 今までの行為を見ていた林田が我慢ならなそうに言う。 「まぁ待てよ。今日、社長がここに居ないのはこいつのお陰なんだぜ」 「お前は終わったからいいだろうけど」 「いいじゃねぇか、たまには後輩においしい思いさせてやろうぜ」 そういって佐伯は目で酒井を促した。 「ありがとうございます」 酒井は智幸の顔の前に血の流れる指を差し出した。 「舐めてくださいよ、トモさん」 智幸が顔をそむけると、酒井は顎をつかんで口をこじ開けた。 「舐めろ、と言っているんだ」 そのときの酒井の瞳はいつものものではなかった。 無理やり口内に指を突っ込まれ、危うく喉につまりそうになるくらいだった。 智幸は殺気に近いものを感じて、舌をおずおずと動かした。 「そう、それでいい」 「ヤッベー…酒井イっちゃってるよ」 「あいつ、こうなると止められねぇんだよな」 酒井はOBたちに智幸の手足を放すように言った。 「トモさん、四つん這いになってください」 「!」 四つん這いという姿勢はかなり屈辱的なものと言って間違いない。当然智幸は抵抗した。 智幸が身を固めると、酒井はポケットからサバイバルナイフを取り出した。 「!?」 「トモさん、キレイな肌してますね・・・」 ナイフを智幸の顔の前でちらつかせる。 一瞬怯んだものの、智幸は動こうとしなかった。 (やっぱりトモさんだな) 酒井は口の端を引きつらせて笑い、ナイフをフッと動かした。 ピチャ・ 床に落ちた液体の音は智幸の首筋から流れていた。 「っ!」 それほど深くはないが、切り口を血がつたっていくのがはっきりわかる。 「ほら言う事聞かないから」 酒井は傷口を舌で丁寧になぞり、そのまま智幸の顎まで舌が這い上がってきた。 「んんっ」 「トモさん、次はどこがいい?顔?腕?それとも…」 「ぁ!」 冷たくて硬い金属が智幸の性器に当たる。 「ココ?」 「おい、あいつマジヤベェって」 「トモ、悪いこと言わねえから言うこと聞いとけよ」 「うるさいよ」 酒井は流し目で林田を睨みつける。それはものすごい殺気を帯びていて、林田はゾクリと背を震わせた。 「トモさん、」 優しい口調で子供に語りかけるように酒井が言う。 「痛いのは好き?」 智幸は恐怖を感じてただ首を振ることしかできなかった。 「そう…じゃぁ言う事き聞いてくださいよ…」 まだナイフが智幸の性器に押し付けられたままだ。 「酒井…」 「ん?何?トモさん」 「…どかしてくれ」 「あぁこれ?今からおいしい果物を食べるんですよ。ほら、四つん這いになって」 智幸は屈辱的な体勢をとった。 そうすると、さっきまで犯されていた秘部の周りに精液と血液が混じって滲んでいるのがよく見えた。 「可哀相に…痛かったでしょ?」 酒井はその部分に舌を這わせた。 「ひぁ…っ!」 舌の刺激に思わず声が洩れてしまった。酒井はさらに奥へと舌を挿入する。智幸のカラダにむず痒い刺激が走った。 その刺激に反応したのか、智幸の性器はだんだん勃ち始めた。先端から液体が溢れ出す。 「おいしそうだね」 酒井は智幸を座らせて勃起したそれを手にとると、溢れ出た液体を舐め取るように愛撫を始めた。 「…っ、やめ…」 舌で液体を舐め取ると、酒井はナイフを煌めかせた。 太股の内側をスッと掠める。 「うぁ!」 熱いような刺激。 「ほら、またおいしそうな液が出てきた…」 そう言って酒井は紅い液体を智幸の肌に吸い付くようにしながら舐めとっている。 楽しそうに智幸の肌を往復する酒井の舌は太腿だけでなく徘徊し、智幸をのモノを次第に大きくしていった。 智幸の先走りの液は溢れ出し、蕾のほうに伝っていく。酒井はそれを先端から蕾に向かって舐める。 そのとき、ちょうど智幸の裏スジの悦い部分に当たったのか、小さく声をあげた。 「そろそろいいかな」 酒井が自身の性器を露にしたときは、既に大きく反り返っていた。 「ぁはっ!!ん!」 二度目の異物。今度は出し入れする度にグチュ、クチュ、と液体が溢れ出し、泡ができている。良く滑るので、さらに奥まで侵入して智幸の前立腺を刺激した。 「トモさんすごいイイですよ…」 「あいつ、笑ってる…」 「スマイリー酒井、登場、か」 酒井は智幸を貫いている間、テンションが高まって、自然に顔が笑っていた。 「ン…あ」 「この姿、大輝にも見せてやろうと思ったのに。知ってます?トモさんはあいつの憧れなんですよ」 智幸にとっても大輝はかわいい弟みたいなもので、後ろをついてくるのが面白かった。 けれど、今日、智幸の過去を知られてしまった。彼はどう思ったのだろう。 「トモさん…っ」 酒井が目を閉じた瞬間、智幸の秘部はさっきの残った液体と、今の酒井の精液を留めきれなくて、噴きだした。 「ぁ!」 「…トモさん、かわいかったですよ。ちゃんと言う事聞いてくれて」 ”かわいい” 智幸には屈辱的な言葉だった。 その時。 カランカラン!! 一階のカウベルが鳴り響いた。 「誰か来たぞ!」 OBが慌てて窓の外を見ると、下に見慣れた車が停まっていた。 「…社長だ!帰ってきやがった!」 ←back |